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徹底解説!電車のLED方向幕は写真撮影するとなぜ途切れるの?

最近の電車やバスのLED方向幕って写真で撮ると表示が途切れちゃうことありますよね?

ではなぜLED表示は写真撮影すると途切れるのか…それにはLEDで起こるある事象とシャッター速度が大きく関係します。

電車のLED方向幕が写真撮影すると途切れるのはなぜ?

LEDは超高速で点滅している

日常生活で多く見かけるようになったLED(Light Emitting Diode)。見た目では常時点灯しているように見えますが、実は超高速で点滅を繰り返しています

この現象は、LEDの点灯に交流電源が使われている場合に起こります。(ちなみに直流ではこの現象が発生しません)

交流は時間とともに電流の向きと大きさが周期的に変わる性質があります。そのため、海の波のように強弱を繰り返しながら電気が流れるのです。

関連記事:日本財団図書館(電子図書館) 初級講習用指導書(電気工学の基礎編)

その電流の周期は一般的に周波数で表されます。日本国内においては東日本では50Hz、西日本では60Hzです。LEDの点滅間隔は周波数の2倍となるため、50Hzの東日本では100回、60Hzの西日本では120回の速さで点滅しているのです。

つまり、LEDの点滅間隔よりも早いシャッター速度で撮影してしまうと途切れてしまうわけなのであります。(東日本では1/100秒、西日本では1/120秒より速いシャッタースピードでの撮影で発生)

参考記事:夜景、イルミネーション撮影で気を付けたいシャッタースピードの関係 | studio9

この高速点滅する現象を「フリッカー」ともいいますが、写真撮影においてかなり厄介な現象としても知られています。

実際に二種類のシャッタースピード(1/100秒、1/200秒)によって電車のLED方向幕の写り方はどのように変わるのか見比べていきましょう。(撮影にはiPhone 7 + Lightroom mobileを使用)

E233系のLED方向幕(シャッター速度1/100秒)

E233系のLED方向幕(シャッター速度1/100秒)

シャッター速度を低速(1/100秒)にすると、LEDが切れずに表示されていることが分かります。

E233系のLED方向幕(シャッター速度1/200秒)

E233系のLED方向幕(シャッター速度1/200秒)

一方でシャッター速度を高速(1/200秒)にするとどうでしょうか。LEDに縦じまが入り、ちらついてしまっています。

架線に流れる電気は直流なのに、なぜLEDの点滅が起こるの?

ここまで、LEDが交流電源で点灯している場合、シャッタースピードを上げて写真撮影をすると表示が途切れるというお話をしてきました。

ですが、ここで一つの疑問が出てきます。

鉄道に詳しい方であればご存知かもしれませんが、実は大都市圏を走る多くの鉄道の架線に流れる電気は直流となっています。(東北地方や九州地方あたりでは交流電化されている場合が多いです)

前述でも触れましたが、直流ならLEDが点滅することなんてないはず…が、現に写真にすると途切れるのはなぜだ?ということになりますよね。

これにはちょっとカラクリがあります。

実は架線から流れてきた直流の電気は、電車の走行の他にも車内の空調や照明なんかにも使用されます。しかし、そのまま使うと電圧が高すぎるため、電車本体で下げる必要が出てきます。

この役割を担うのが、電車の床下についているMG(Moter Generator)およびSIV(Silent Inverter)と呼ばれる場所。ここで電圧を下げ、なおかつ交流に変換しているんです。

関連記事:鉄道車両用 補助電源装置について[PDF]

そう、電車内の空調や照明で使われている電気は、実は交流電源ということになるのです。この変換された交流の電気はLED方向幕にも使われますので、これによって高速点滅が起こっているというわけなのです。

電車のLED方向幕を途切れないようにする撮り方は?

と、ここまで鉄道のLED方向幕を写真撮影すると切れる理由をお伝えしてきました。では、電車のLED方向幕を切れずに写真撮影するためにはどうすれば良いでしょうか。それは…

 

シャッター速度を極力下げること!

 

残念ながらそれ以外の方法はないのが現状です。とはいえ、走っている電車でやるのは正直無理ゲーなので、もしLED方向幕まできっちり撮影したいのであれば、駅で停車中の電車を撮影するか、流し撮りをするのがおすすめです。

関連記事:躍動感がたまらない!流し撮り上達のコツはひたすら練習すること

最適なシャッター速度は東日本なら1/100秒、西日本なら1/120秒…ではない?

ところで、電車のLED方向幕を途切れることなく収められる最適なシャッタースピードはどのぐらいなのでしょうか?

勘の良い方であれば、東日本の電車は1/100秒、西日本の電車は1/120秒以下であればLED方向幕が切れることなく写真撮影できるのでは?と思われるかもしれません。が、実はそうでもないようなのです。

先ほど紹介した架線から流れる直流の電気を交流に変換する際、電車ごとに異なる周波数に変換しているようなのです。

ちなみにJR常磐線で使用されているE531系という電車では、SIVを介して60Hzに変換されています。つまり、1/120秒以下のシャッター速度で撮影すれば、LED方向幕が切れることなく撮影できるという計算になります。

参考記事:東日本旅客鉄道株式会社E531系電車電気品 – 東洋電機[PDF]

また、車両によっては1/400秒程度まで途切れることなく撮影できるLED方向幕もあるようです。もしかするとフリッカーを軽減するために高価なものを使っている可能性もありますが、残念ながら詳しいことは定かではありません(^^;)

まとめ

ということで、電車のLED方向幕を写真撮影すると途切れる理由について紹介していきました。

LED方向幕には交流電源が使われるため、高速点滅(フリッカー)という非常に厄介な現象が起きてしまいます。

これを避けるためにはなるべく低速なシャッタースピードでの撮影をすれば良いのですが、そうなると被写体ブレがどうしても出てしまうので、流し撮りなどの工夫が必要となります。

おそらく今後もLED方向幕を搭載した電車は増えると思いますので、鉄道撮影される方は知っておくと面白いかと思います。

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Comment (1)
  1. torisugari より:

    方向幕のチラつきは「交流電源」が原因ではなく、多数のLEDを個々に点灯させるための回路方式に拠る「スキャン(走査)」が原因です。交流電源を使う理由がありません。
    Wikipedia: ドットマトリクス
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%82%B9#LED.E3.83.9E.E3.83.88.E3.83.AA.E3.82.AF.E3.82.B9

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